別冊ガレリア|映像の世界|WASEDABOOK


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ヨーロッパに移られたのは、いつごろですか。

もともとイタリア文化に興味があったので、1993年にイタリアに渡りました。1994年に、写真学校に入り、1996年頃から、雑誌&広告などの仕事、そして一方ではアートワークの展示会などと幅広く仕事をしていました。

イタリアでの、活動が少しづつ軌道に乗った頃、イタリア人の夫に、オランダの仕事が決まったので、思い切って、場所を変えました。
まさか10年もいることになるとは思いませんでしたが。

はっきり言って、流れるままという感じです。
だから、明日から、アジアということもあるわけです。


ドイツやベルギーにも足を伸ばしますね。
愛車について教えてください。

近隣の国々には、車で出かけます。
住んでいる街が、アムステルダムに行くよりベルギー&ドイツに近いということもあります。

先月は、車で、スイスのモントルーまで、コンフェレンスで出かけました。
クルマは愛車ということもないですが、、、ヨーロッパ名、ヤリス。日本名は、ヴィッツです。小さい車です。


ヨーロッパを活動拠点にする理由は何でしょう。

ヨーロッパは活動拠点にするのは、最近とっているアートワークのテーマが、ヨーロッパでしか撮れないものであるからです。

あと、そうですね、正直にいうと、小さい頃からヨーロッパに住みたいと思っていましたので、住むことに違和感がないです。
きっと写真と関係ないことをしていても、ヨーロッパに来ていたと思います。


下のポートレートでは、光と影のアンサンブルがモデルの直線的な視線と交錯し、インテリジェンスを一層際立たせています。
このモデルをセレクトした理由は?

いつものように、モデルエージェンシーからの、パンフレットを見ていると、このモデルの視線の強さと体つき、特に自分の好みにマッチした顔立ちで、特に、爬虫類系であることからセレクトしました。

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初めてモデルと対峙したとき、最初に何を考えますか。
モデルの在りの侭の存在感や美意識でしょうか。
クライアントニーズへの忠誠心でしょうか。
あるいは、無心に、モデルに潜在する人間性や魅力について迫るだけでしょうか。

モデルは年々若くなっています。
メイクなしの素のままの彼らは、本当に子供のようです。
親がついてくる場合もありますし。
その中でも、存在感を示す特別なモデルは別ですが、だいたいは、こちら側で、イメージを作り上げるということになります。

特に仕事の場合は、コンセプトに沿ってポートレートをとろうと努めます。
クライアントにどのくらい、ワタシのイメージするポートレートなのかを納得してもらってからコンセプトを作りますので、、、
だいたい、ワタシの考えるものに近い物にできあがります。

仕事の種類にもよりますが、モデル自体の魅力を生かすように撮るときも勿論あります。
それは、レポルタージュ系の仕事や、アートワークなどですね。


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写真は、ある意味、演出であり、写実としての機能でもあるとすれば、会話は、撮影技術と一部でもあり、モデルの潜在的な美や存在、あるいは周囲の空気も変える効果があるように思います。
あなたは、モデルと、会話をしながらシャッターを切りますか?
それとも、一切、無言のまま撮影は進みますか。

確かに会話は、重要だと思います。
「どこから来たの?」から始まって、家族とか、BF&GFのことなど、根掘り葉掘りで聞いてしまいます。(笑)

東京にいた頃、編集やライターの仕事をしていたのが、非常に役立っていています。


このモデル(下の写真)とは、どのような言葉を交わしましたか?

昔のことで全然覚えてないのですが、確かアイスランドからきたモデルで、タランティーノを意識したイメージ作りを彼女に話して、とった記憶があります。ミラノ時代です。

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ある人物を被写体に選ぶときの動機とは、主に何でしょう。

人と、場所が、全く合うという、奇跡的な時があり、、、、
その人のヒトミが語っている何かを今撮らなくては、という思いにかられる時、自然ですが少し慌てながら、カメラを構えシャッターを切ります。

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最近の作品には、ストーリーを感じます。たとえば下の写真です。
テーマが設定されていたようにも思えますが、もしあれば教えてください。

映画でいえば、Birdy(1984)でしょうか?

少し自閉症気味な感じの少女が、外に出て夢に近づくというような、設定です。
映画に比べたら、ラストは明るいイメージです。


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ヨーロッパにおける写真芸術に対する理解は、日本と異なりますか。

残念なことに10年前頃は、アートと、メディアなどの仕事をミックスするような仕事の仕方は、オランダでは受けいられず、、初めワタシはそれが分からず、、、非常に戸惑いました。

両方のワークをしていると、かならず「あなたは何を(どちらを)したいのか?」と、軽蔑を含んだ目で見られ、尋ねられるのです。
イタリアは日本と同じで、自分のアートワークもCMワークも両方している人が昔から多いです。

ちなみに、これはオランダという国の特有な問題かと思います。
まず、アーティストとしての話ですが、政府認定の学校&センセイについた人々は、政府からの援助で生活している人が多いのです。

アートフォトは完全にアートの世界で位置を確立しているのはいいことだと思いますが、コマーシャルフォトとアートフォトは完璧に違う物とされているのです。

しかし、最近は、イタリアや、日本のように、どちらのワークもできるような雰囲気が生まれています。

なぜなら、アーティストへの援助がかなり少なくなったからです。
それまで、親子共々、政府系アーティストという、この辺りの仕組みが少し壊されてきています。
日本とは、、、本当にあまりに違いますね。

またヨーロッパのCMサイドにおいてですが、フォトグラファーは、強いパワーを求められます。
編集や、アートディレクターがいても、すべて最終的にはフォトグラファーが決断します。その辺りも、日本とはだいぶ違うと思いました。

最も好きな写真を一枚教えてください。

あまりに難しい質問なので、今年撮影した写真で一番お気に入りのポートレートの写真を送りたいと思います。
タイトルは、『おやすみキス』です。

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目標とする写真家はいますか。

目標とする写真家、,,難しいですね。
影響を受けた写真家はたくさんいます。

80年代から90年代にかけては、ファッション、ポートレートフォトグラファーが、とっても素晴らしい仕事をたくさんしていて、影響を受けました。

今でも好きな写真家は、杉本博司シンディ・シャーマンGregory CrewdsonSally Mann, Wolfgang Tillmansマリオ ジャコメリ などでしょうか?



これから、どんな写真を撮っていきたいですか。
あなたにとって、「写真」とは。

表現方法の手軽さとして、写真は今や、写真家に限らず、誰にも愛される、記録装置&アートだと思います。

わたしにとって写真は、一番身近にいる、他人とのコラボのようなものです。カメラを通じてみる世界は、いつもワタシを魅了し、わくわくさせます。

その中でワタシが、これから撮っていきたいのは、まず始めに、Room
プロジェクトの完成。
これは、一見インテリアを撮っていますが、そこに住む人のポートレートです。空気感を模索しています。

もう1つは、カメラがあるから、撮れる世界、,、を模索しています。
Fluid Milageプロジェクトがそれです。
プロジェクトになかなか終わりはないので、、、、

どうしても新しいプロジェクトを撮りだすと、前、前のプロジェクトも平行していつも頭にあるようなそういう感じです。